2010 年 10 月 31 日

なぜ、石渡嶺司氏×佐藤孝治対談は噛み合ないのか?

by koji

10月21日開催の学生団体FP主催のイベント「”働く”とは何か~これからの就活の話をしよう~」の石渡嶺司氏との対談が全く噛み合いませんでした。

学生の就職活動を応援したいという想いは同じはずなのですが、お互いの主張はかなり違っていました。限られた時間の中での対談だったこともあり、話が噛み合ないまま終了となってしまいました。ということで、対談でお伝えできなかったことを本ブログで書いて行きたいと思います。まず、どこがかみ合っていないのかを確認するべく、対談を文字化してみました。ご協力頂いた皆様ありがとうございました。

【テキスト】石渡嶺司氏×佐藤孝治対談の全文
【映像】石渡嶺司氏×佐藤孝治対談「これから就活の話をしよう」

文字化すると「なぜ、石渡嶺司氏×佐藤孝治対談は噛み合なかったのか」が見えてきました。

お互いのスタンスが、まったく違うんですね。

石渡氏は「学生、大学は今のままでよい。企業、行政機関、就職情報会社がもっと変わるべきだ」というスタンス。

一方、私のスタンスは「学生、社会人、大学、企業、就職情報会社すべてが変わって行くべきだ」です。

次に文字化した対談での石渡嶺司氏の主張を私なりに整理してみました。(石渡氏の発言をもとに整理いたしましたが、石渡氏の本意とは違っているところがあるかもしれませんので、必要に応じて修正させていただきます。)

石渡嶺司氏の主張

<就職活動の早期化長期化>

・採用活動を規制する法律がないために選考のタイミングが早期化している。

・就職情報会社は就職活動を早期化長期化させ、学生を就職活動で振り回し、学業の邪魔をし、大学生活を阻害をすることによって利益を上げている。

・総合商社や一部の企業が採用時期を遅くしようとしているが、一部の企業だけが、後ろにずらしたところで、根本的な解決には繋がらず、就職活動の長期化が進むだけだ。

・就職活動の早期化長期化という現実に対して、文部科学省、厚生労働省、採用業界、企業関係者など誰も責任をとろうとしていない。

・大学3年生の後半のタイミングまで学生と企業は接点を持つべきではない。

・就職活動、インターンシップを含めて、法律を作り、学生を保護しなくてはいけない。

<インターンシップ>

・アルバイトと同じことをさせて、給料を支払わない「名ばかりインターンシップ」は問題だ。

・一日インターンシップはただの会社説明会であり、行く価値がない。(「一日インターンシップでも参加する価値があったという学生もいっぱいいらっしゃいます。」という発言もありました)

・ただの会社説明会である一日インターンシップは就活の時期に実施すれば充分である。学生にとって貴重な時間である、3年生の夏休み、学期期間中に平日に実施するべきではない。

・インターンシップは、長期間の就業体験であるべきである。

・みんなやっているので、取り残されないために、大学生にとって重要な3年生の夏休みに、サークル、ゼミ、旅行などを諦め、単なる会社説明会な、行く価値のない一日インターンシップに、泣く泣く行くはめになったという学生がたくさんいる。

・インターンシップ中の事故が起こった場合アルバイトであれば会社が責任を取るが、インターンシップではだれが責任をとるのかが非常に曖昧であり、企業も就職情報会社も責任をとらず、学生個人がバカをみるだけだ。

・インターンシップで何か問題が起きたときに企業が責任をとるべきだ。

・シンターンシップは、就業体験出来るもので、期間は何日以上で、どういうプログラムなのかを、全部法律で決めるべきだ。

・普通にアルバイトをする、普通にサークル活動をする、普通に親戚のおじさんと話す、企業の話を聞きたければ、企業の関係者をいろんな方法でとっつかまえて聞けば良く、インターンシップにこだわる必要はない。

<普通の学生、凄い学生>

・普通にアルバイトをやっていました、普通に勉強やっていました、という方(かた)が内定を取れる。大学生として、勉強したいという学生は勉強すればいいし、サークル活動したいという学生は、サークル活動すればよいし、アルバイトしたいという学生はアルバイトをすればよい。

・凄い経歴でない、普通の学生であってもそれを恥じる必要はない。どんな学生にも必ず良いエピソードが必ず有る。それをちゃんと説明できれば普通の学生であっても内定に至る。

・1000人以上の学生に取材をしたが、起業したとか、飛び抜けて凄かった学生はいない。多少はいるが。だから、凄い学生、プロ学生は凄い嘘である。

・何か飛びぬけて凄い事をやっていたから内定が絶対取れるかというと、全くそうでは無い。

・学生で起業したら忙しくて大学に来れない。だから、学生起業家はそもそも大学生である存在理由が全然ない。

・中国の学生が元気だというのは非常に良く分かるが、それは、国全体がいま右上がりで高度成長している中国の学生だからだ。日本は低成長あるいはマイナス成長で環境が違うので、そこを強調してもしかたない。日本人と中国人を比較してどちらを採用するかという競争環境にあるのはごく少数の企業である。

石渡氏の今回の対談でのキーメッセージを整理してみました。

(1)普通に学生生活を過ごしていれば、内定を獲得できる。

(2)何か飛びぬけて凄い事をやっていても内定を絶対取れるわけではない。

(3)外国人と比較される競争環境にある企業はごく少数である。

(4)大学3年生の後半のタイミングまで学生と企業は接点を持つべきではない。

(5)就職活動、インターンシップの法律を作り学生を保護するべきである。

石渡嶺司氏×佐藤孝治対談「これから就活の話をしよう」
http://www.ustream.tv/recorded/10326653


佐藤孝治の主張

続いて、同様に、私の主張も整理してみました。今回の対談で、お話できなかった部分も補足して書かせていただきました。

<就職活動の早期化長期化>

・企業の採用基準は年々高くなっている。

・「企業がどんな人材を求めているか」についての情報発信は、不十分である。

・多くの学生は、どんな自分であったら企業が採用したいのかということを知らないで大学1年生から2年生の時期を過ごしている。

・企業が学生を大量に集めて大量にふるい落とす選考のタイミングまでに、充実した学生生活を過ごしていることが大切だ。

・就職活動が長期化するのは、企業の選考を突破する能力が不足しているためである。能力不足のまま、企業の選考を受け続けていると、内定を獲得できないので、就職活動がどんどん長期化して行く。

・就活の問題点は、企業の選考を受ける前に自分がどんな状況か分からないこと。

・大学4年生の5月頃、内定を獲得できないという現実によって、自分の学生生活では「会社で活躍できるエピーソード」が無いことに気がつく。

・選考を落とした理由は基本的にフィードバックされないために、真の落ちた理由を知ることができない。そのために、自分がクリアすべき課題が分からない。

・私は自分がクリアすべき課題を学生にきちんと伝わる状況を作り出したいと考えて、様々な活動している。

・大学4年生の5月頃から一生懸命頑張っても、成長には時間がかかるために、自分自身が成長できたタイミングでは、入社したいと思える企業の採用活動は終了していることが多い。そのために就職留年を余儀なくされる場合がある。

・一人でも多くの人が意識と行動を変え、内定を獲得できる学生になってもらいたい。そのためには、大学生活でこれをやり切ったと言える経験をすることが重要。

・企業や社会人との接点を持つタイミングを早期化するべきである。

・志望校の赤本を入試直前に解くより、受験勉強をスタートするタイミングで志望校の赤本を解いた方が良い。就活における赤本は企業や社会人との接点を持つことである。

<インターンシップ>

・企業や社会人との接点はインターンシップにこだわる必要はなく、様々な種類の機会があることが望ましい。いま、進めるべきは、企業や社会人との接点の多様化、自由化である。

・インターンシップは、長期、短期/有給、無給/取得単位の有無など多様なバリエーションの中から、自分自身の状況に応じて自由に選択できることが望ましい。

・学生向けだけではなく、社会人向けの有料ビジネス講座に参加してみるという方法もある。

・「一日インターンシップ」または「ワンデーインターンシップ」には、実施する企業が「一日という短い期間ではあるが、就業体験に匹敵するレベルの経験をすることができる機会を作る」という思いが込められている。

・「一日インターンシップ」または「ワンデーインターンシップ」とは何かと学生に聞けば、ほとんどの学生が「半日~1日で実施するプログラムで、講演を聞き、グループワークや社員との交流をするもの」と認識している。万が一知らなかったとしても、プログラム概要を見れば、事前に知ることができるので「就業体験をしたかったのに、こんなはずではなかった」という事にはならない。

・学生が知りたいことを知ることができる参加する価値のある会社説明会であれば、企業や社会人との接点としての価値がある。選考の直前に「我が社ではTECC (中国語コミュニケーション能力検定)で550点をクリアしていることが選考条件です」という話を聞いても対策は難しいが、2年間あれば充分対策がとれる。

・学生の時間の無駄になるような、インターンシップやワンディインターンシップは無くさなくてはいけない。

・企業側の準備不足と言わざるを得ないインターンシップであっても、参加する学生が主体性を発揮することで、価値あるインターンシップに転換することができる可能性がある。

・すべてのアルバイトは、働く学生が主体性を発揮すれば、インターンシップを超える学びがある。アルバイトは、就業体験ではなく就業そのものである。

・たった2時間の講演でも人の人生を変えることがある。

・インターンシップや学生向けのセミナーを実施する際には「機密情報の漏洩」「セクシュアルハラスメント」「労働災害」といったリスクがある。

・インターンシップにおける、労働災害対策として大切なことは、安全管理を徹底的に行うこと、その上で必要な保険に加入することである。

・ジョブウェブは学生が安心して参加できるインターンシップを実現するために、掲載企業に対してトラブル防止のためのアドバイスやコンサルティングを行って行きます。

<普通の学生、凄い学生>

・就職戦線は、国内だけではない、グローバルな競争がスタートしている。世界中からバイタリティーのある人がやってくる時代になりつつある。

・企業が欲しいと思える人の出現率が減っているという現状がある。これをどうすればいいのか。全ての人には可能性があって、良い形の出逢いによって、意識と行動を変えたとたんに、変わる可能性がある。

・出会った学生に、人生に対する考え方と行動の仕方を伝えると、意識と行動が変わり成長が始まり、3ヶ月位するといままでとは全く違った人に成長を遂げる人がたくさんいる。

・私は現在出現確率5%程度の、たくさんの企業が採用したくなるような人材の出現確率が20%なり30%にしたい。

・大学1年生の頃から関係性を持てたらもっとよくなるという思いがある。就職活動を早期化するということではなく、学生生活をより充実させるためのヒントを情報発信していきたい。

・出現確率5%のレベルを目指して一人一人が動けば、自分本来の力を発揮できる人になれる。

・学生一人一人に自分の役割があり、身の丈がある。自分としてのポテンシャルを最大限発揮している社会人を目指して欲しい。

・起業をする、会社に入ってリーダーシップを発揮する、イノベーションを起こす、といった人の数を増やすことができれば、それ以外の働き方をする人の数も増やすことができる。

佐藤孝治の今回の対談でのキーメッセージを整理してみました。

(1)企業の採用基準は年々高くなっている。

(2)大学生活でこれをやり切ったと言える経験をすることが重要。

(3)世界中からバイタリティーのある人がやってくる時代になりつつある。

(4)企業や社会人との接点を持つタイミングを早期化するべきである。

(5)いま、進めるべきは、企業や社会人との接点の多様化、自由化である。

石渡嶺司氏×佐藤孝治対談「これから就活の話をしよう」
http://www.ustream.tv/recorded/10326653



以上、石渡嶺司氏×佐藤孝治対談のそれぞれの主張を整理しつつ、私が対談でお伝えできなかったことを書かせていただきました。更に補足が必要な部分をブログで書いて参ります。

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4 件のコメント
2010年10 月 31日

確かにベースの考え方が少し違うようですが、明確にどこが違うのかがわかりにくいですね。
同じ意見の箇所もありますし。

次回同様の機会の際には、
テーマに対する論点を整理するモデレーターを織り交ぜたトークセッションに
されるとよいかもしれませんね。


でないと、参加者が混乱するだけのような気がします。

佐藤

2010年11 月 17日

こんにちは、初めまして西川と申します。

石渡嶺司氏×佐藤孝治氏の対談を文字化したものを拝見させていただきました。

私にも明確にどこが違うのかよく分からなかったです。

単純にどちらかが、喧嘩腰な態度でいたために、噛み合わなかっただけでは?と思ってしまいました。

参加者にとって、分かりやすいトークにするためにも、先の方がおっしゃるように、モデレーターを織り交ぜるのが良いように私も感じました。

2010年12 月 19日
中島 permalink

はじめまして。私は、一度佐藤さんのセミナーに参加したことがあり、就活廃止論を読んだことがある大学生3年生です。

端的に言わせてもらいますと、石渡さんの考えは、古すぎて話しにならないと思いました。企業がグローバル化をしており、日本が世界で取り残されつつあるというのに、普通でいい、などと学生に対して主張するのはありえないと思います。石渡さんの考えは、おそらく無理に競争せずに、普通でいいんだよ、という考えに近いと思います。もし、日本が世界で覇権を握っており、日本という国で働くことが一番有利であるならば、石渡さんの意見は正しくもなると思いますが、現実はその正反対に動いている気がします。これから、石渡さんのような考えの学生が働くには、公務員か、電力会社、鉄道会社等のインフラでつぶれる可能性が低いとこしか、方法がない気がします。いわゆる安定志向です。

佐藤さんの考えは、その逆だと思われます。会社に頼らずに個人で生きていく、そのためにどうしたらいいのか、という考えだと思うのです。私も、完璧に佐藤さん派なので、擁護してしまうのですが、これから社会で生きていくためには、世界標準にならないと戦っていけないと思います。会社内だけで通用するスキルを身につけても、ほかで通用しなかったら意味がありません。それが嫌ならば、先ほど申し上げたように、公務員等になればいいのです。ですが、狭き門でありますし、日本はそこまで競争したくなく、ほどほどに生きていけたらいいや、みたいな人にとって非常に生きにくい社会だと思います。石渡さんの考えは競争心がない人に対して、擁護しようとしていると思われます。佐藤さんは、個人で戦っていく生き方をしよう、という考え方だと思われます。

ですから、そもそも考えが合わないのは当たり前だと思います。石渡さんの考えどおりに動いて、普通の会社に入ったならば、一生会社の奴隷になる気がしてなりませんが。まあそれでも職があるだけまし、という考え方なのでしょうけど、なくなったとき、地獄を見る生き方ですね。とても安定とは思えない。真の安定は、佐藤さんの考えの生き方だと思います。

2011年1 月 8日
山下 permalink

おそらく石渡さんが問題にしているのは、佐藤さんがメッセージとしてまとめておられる中からにじみ出る
「就職に強くなる大学生活を送れ」
というメッセージ自体にあるのだと思います。
有り体に言えば、就職予備校化している現状を問題視していると。

そこには企業が求める人材が画一化している(大学受験で、試験で良い点を取れればいいと同じように)
傾向に問題があると思います。
しかしだからといって、
だらだらと大学生活を過ごしてきた人から、その人の秘められたポテンシャルを見いだすことなんてとうていできません。
自分の能力を伝えるためのわかりやすいエピソードを語れることが、就職の決め手になるというのはもっともな話ですし、多くの人が「就職の成功」を大学生のあがりだと考えているのであれば全く理にかなっていると思います。

だから石渡さんの価値観を実現するためには、
ベーシックインカムなりを導入して、働くか働かないかまで、選択の自由がもたらされる社会にしなければならないと思うし、そうならないのだからどうしようもないのだと思います。

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