2010 年 1 月 18 日

 「プロ学生」の時代がやって来る

by koji

要するに「結果を出すことができる人」は、自分自身で常に学んでいるということだ。「身分」が学生であるか、社会人であるかは関係ない。せっかく、いい内容の授業を大学が提供していても、学ぶ側に自らの意思で学び取る姿勢がなければ身にはつかない。高校を卒業したら「みんなが行くので一応、大学に行く」という人にとっては、学びの価値を感じ取ることができないのは当たり前である。同様に「大学を出たら就職するものだから就職をする」という学生が就職をしても、成果が出せるわけはない。だいたい、そんな学生は企業のほうが採りたくない。

今みんなが当たり前と思っている「同時期一斉就職」という、このパターンそのものを変えていく必要がある。過去の偉大な起業家たちは起業してから学校に行ったが、今では学生起業家という存在も一般的になってきた。

実際には、これまでもアルバイトや契約社員という形の働き方をしている学生はたくさんいた。経営者から見れば、「いなくなると困る学生アルバイト」である。これからはそれが「アルバイト」という臨時の仕事の範疇に留まらず、「大学で学んでいるビジネスパーソン」という形で社会的に認知されてくるのではないかと思う。

私は今後「プロ学生」というジャンルに属する人たちが続々と生まれてくるのではないかと思っている。「学生ビジネスパーソン」「学生サラリーマン(ウーマン)」というような人たちである。学生でありながら社員並み、あるいは社員を超えるような仕事ぶりを発揮している学生が現在でもいる。

ある企業の選考基準に「一年以上、プロフェッショナルマインドを持ったビジネス経験がある人」は「◎(二重丸)」というものがあった。「大学一年生の頃、フルコミッションで百科事典のセールスマンをやっていたことがあって、全社員の中でトップセールスでした」という学生がいた。「バイトで講師をしていた塾がつぶれそうになってしまい、とにかく生徒を集めないとだめだと思い、頑張っているうちに二年生からはその塾の経営を任されていました」という学生もいた。

いずれも社会人になってから圧倒的なハイパフォーマーとして活躍している。この人たちは学生時代、まさに「プロ学生」と言われるような仕事をし、就職活動のタイミングで真剣にそれに取り組んで企業の社員となった。これからの時代は、このような「プロ学生」が増えてゆき、いつの間にか、途切れ目がなくビジネスの世界に入っていくという人が増えていくに違いない。

そうして学生と社会人の垣根がどんどんなくなっていくべきである。「プロ学生」でも「プロ社会人」でもいいが、プロフェッショナルとして一定期間がむしゃらに働いた後、より高いレベルの学びが必要だと感じたタイミングで改めて学ぶほうが、価値ある学びになることは間違いない。

明日は、社会で役割を果せる力をつけろ(01/19)です。

明日で、公式ブログでの著書の中身紹介最終回となります。今後は、本の中に書ききれなかった内容や、最新情報など、日々コラムをアップして行きます。また、皆様からのご質問にお答えしたり、ツイッターでの討論のまとめをアップしたり、インタラクティブに皆様との対話を継続してまいりたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

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目次
はじめに(12/24)


第1章「就活」の時代は終わった
「就活」は賞味期限切れ(12/25)
誰が次世代の人材を育てるのか(12/26)
企業への「所属」は頼りにならない(12/27)
安定とは休みなく進化しつづけること(12/28)
終身雇用と新卒採用は一体だった(12/29)
有名大学至上主義の背景(01/04)
なぜインターンシップが増えたのか(01/05)
変わる個人と会社の関係(01/06)
「就活」時代の終わりの始まり(01/07)


第2章「就活」の<ステップ0>
勝負はスタート時点でついている(01/08)
料理のおいしさは素材で決まる(01/09)
すぐに<ステップ0>を始めよう(01/10)
就活の「早期化」はほんとうに問題なのか(01/11)
学生のキャリア意識の高まり(01/12)
研究室と企業の関係(01/13)
人を育てる機能をどこが担うか(01/14)
企業から人材育成力が失われた(01/15)
みんなで人を育てよう(01/16)
「学び」と「仕事」を共存する(01/17)
「プロ学生」の時代がやってくる(01/18)
社会で役割を果せる力をつけろ(01/19)
目次の続きはこちら


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1 件のコメント
2010年4 月 3日

常に学ぶ姿勢。学生とか社会人とかいう問題ではないですよね。様々な状況んで常に学ぶのはプロとして当然だと考えています。そして、学ぶといっても自分の経験や身の回りでけでなく、違う業界の方々の仕事の仕方に着目し、参考とするというのも大切なことだと考えています。
そうやって、はじめて、
プロフェッショナルマインドが築かれていくと思います。

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