2009 年 12 月 25 日

就職活動は賞味期限切れ

by koji

「就職活動」はもはや賞味期限切れだと思う。


もちろん学生の就職は必要なことである。そのための準備や行動は不可欠だ。私が賞味期限切れといっているのは、いわゆる学生言葉で「就活(シューカツ)」と呼ばれている、長年行われてきた、そして現在も行われているところの、季節の風物詩としての「就職活動」のことである。


なぜそう考えるかといえば、現在の形の「就職活動」という習慣は、日本の企業社会が大企業を中心に年功序列、終身雇用と呼ばれる雇用慣行を軸に動いていた時代の遺物だからである。


年功序列、終身雇用という、いわゆる日本的雇用が崩壊のプロセスに入っていることは、もはや誰にも異論のないところだろう。崩壊して完全に消え去ったとは私も思わないけれども、少なくとも戦後の成長を支えてきた仕組みが大きく変革を迫られ、実際、多くの企業はその方向に動いていることは事実である。


後で改めて説明するが、年功序列・終身雇用という仕組みの「入口」が新卒一括定期採用である。学生から見ればそれは同時期一斉多発の「シューカツ」と呼ばれる。そして年功序列・終身雇用の「出口」は、これまた同時期一斉多発の「定年退職」であった。


多くの企業で先に崩壊のプロセスが始まったのは定年退職のほうである。大多数の大手企業では子会社への出向や早期退職制度などで中高年社員はどんどん社外に出て行く仕組みが構築され、定年まで本体の会社に残れる人は、もはや少数派になってしまった。


「出口」が崩れれば「入口」も崩れざるを得ない。ある程度のタイムラグはあるにせよ、それは時間の問題である。いよいよそれが本格化してきた。組織内部の昇進の仕組みも、評価の仕組みも、人材育成の仕組みも、会社の中身はそっくり変わってしまったのに、その「入口」であるところの採用の部分だけ従来と同じやり方を続けられるはずがない。にもかかわらず、毎年その時期になると相変わらず季節の風物詩としての「就職(採用)活動」を繰り返していれば、そのズレが問題となってくるのは当たり前である。


明日は、誰が次世代の人材を育てるのか(12/26)です。

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目次
はじめに(12/24)


第1章「就活」の時代は終わった
「就活」は賞味期限切れ(12/25)
誰が次世代の人材を育てるのか(12/26)
企業への「所属」は頼りにならない(12/27)
安定とは休みなく進化しつづけること(12/28)
終身雇用と新卒採用は一体だった(12/29)
有名大学至上主義の背景(01/04)
なぜインターンシップが増えたのか(01/05)
変わる個人と会社の関係(01/06)
「就活」時代の終わりの始まり(01/07)


第2章「就活」の<ステップ0>
勝負はスタート時点でついている(01/08)
料理のおいしさは素材で決まる(01/09)
すぐに<ステップ0>を始めよう(01/10)
就活の「早期化」はほんとうに問題なのか(01/11)
学生のキャリア意識の高まり(01/12)
研究室と企業の関係(01/13)
人を育てる機能をどこが担うか(01/14)
企業から人材育成力が失われた(01/15)
みんなで人を育てよう(01/16)
「学び」と「仕事」を共存する(01/17)
「プロ学生」の時代がやってくる(01/18)
社会で役割を果せる力をつけろ(01/19)
目次の続きはこちら



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